スライドデザインの3つのコツ

色見本を見ながらデザインを考えている様子

スライドデザインで意識すべきポイントは「フォント」「色」「レイアウト」の3つ。ポイントを押さえることで誰が見ても“わかりやすいスライド”が作れるようになります。

クセのないフォントとサイズを選ぼう!

フォントは、大きく分けると「明朝体」と「ゴシック体」の2種類があります。明朝体は、「はね」や「はらい」の線の幅が均一ではなく、うろこなどの装飾があるフォントの総称。ゴシック体は、線の幅が均一で、装飾のないフォントの総称です。

明朝体とゴシック体の説明。明朝体には装飾(うろこ)があり線が均一ではない、ゴシック体は装飾(うろこ)がなく線が均一であることを示す画像

長い文章であれば可読性が高い(=読みやすい)明朝体が好まれますが、スライドにおいては視認性が高い(=見やすい)ことが求められるので、ゴシック体を使うようにしましょう。ゴシック体にも様々な種類がありますが、おすすめはPCに標準搭載されている「游ゴシック」です。クセがなくて読みやすく、太字にしても文字がつぶれない使いやすいフォントです。

フォントサイズの比較。28ptから40ptまではタイトルや見出しに適していて、18ptや20ptはテキストに適している画像

また、フォントサイズも重要です。一般的には、タイトル・見出しは24~40pt、テキストは18~20pt程度が読みやすいとされているので、このサイズを基準に設定しましょう。ただし、これが最適なフォントサイズというわけではありません。スクリーンに投影する場合や、紙の配布資料の場合など、それぞれのシーンや用途にあわせて調整できるようにしましょう。

色の数を絞り、役割を明確にしよう!

スライドをカラフルにすると賑やかで目立ちますが、フォーカルポイント(focal point:注視するところ)や伝えたいポイントがわかりにくくなります。色の数を絞り、統一感を出すように意識しましょう。

色の組み合わせの見本 ベーシック、落ち着き、さわやか、かわいいの組み合わせの画像

具体的には、「ベースカラー・メインカラー・アクセントカラー・テキストカラー」の4色で作成することがおすすめ。ベースカラーは「背景色(テキストにも使う場合あり)」、メインカラーは「スライドの基本となる色」、アクセントカラーは「目立たせたい部分に使う色」、テキストカラーは「文字色」です。

ベースカラーとテキストカラーは黒や白といった無彩色が使われることが多いので、「メイン・アクセント+無彩色」と覚えておくといいかもしれません。また、配色の割合はベースカラー>メインカラー>アクセントカラーの順に多くなるようにしましょう。テキストカラーは文字の量によって変動します。

色相環と明度と彩度の説明画像

色を選ぶ際は、メインカラー→アクセントカラーの順に決めるとよいでしょう。メインカラーはプレゼンや提案のテーマに合った色、アクセントカラーはメインカラーの反対色(補色)がおすすめです。ただし、原色をそのまま使うと色味が強いので、明度(色の明るさ)や彩度(色の鮮やかさ)を調整して使ってみましょう!

ベースカラーにも色を使いたい場合は、メインカラーの同系色(類似色相)で明度が高く、彩度が低い色を選びましょう。反対色や同系色は、色を環状に表した「色相環」で確認できます。

レイアウトを工夫しよう!

読み手の理解を深めるためには、視線の動きを考えたレイアウトを意識しましょう。人の視線は、自然と左上から右下に動くので、目に留まる箇所に重要なポイントを配置すると訴求力が高まります。

レイアウトの説明、斜め読みのグーテンベルク・ダイヤグラム、Z読みのZ型、F読みのF型のイメージ画像

見やすいレイアウトは「グーテンベルク・ダイヤグラム」「Z型」「F型」の3種類。基本的には起点となる左上に最も伝えたいことを記載し、情報を整理するようにしましょう。1つの資料にすべて同じ型を使うのではなく、スライドによって型を使い分けるとわかりやすくなります。

まとめ

第1回と第2回で、PowerPointのスライド作成における基本的な考え方とデザインのコツをご紹介しました。次回からは、PowerPointでよく使う操作や機能を、簡単な製品提案資料(全10ページ)を作りながらご紹介します。お楽しみに!