電話応対の超基本!3つのポイントをおさえよう

電話の受話器を手に取る様子

この春、某保険会社に入社したばかりのAくん。今日はB子先輩に電話応対のマナーを教わることになりました。

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Aくん「僕、電話が苦手なんですよ……」

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B子先輩「最近はSNSのテキストメッセージに慣れてるから、相手の顔が見えない電話は苦手って子が多いわよね。私も入社当時は苦手だったし」

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Aくん「どうやって克服したんですか?コツを教えてください!」

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B子先輩「もちろん!まずは電話応対全般に共通する基本的なことからね」

まずはここから!電話応対の3つのポイント

(1) 会社の一員として電話に出るという自覚を持つ
不慣れな新入社員であっても、電話の相手にはわかりません。「自分の話し方やマナーが会社のイメージにつながる」という自覚を持つことが大切です。

(2) 明るい声ではっきり話すよう心がける
背筋を伸ばしたり口角を上げたりすることを心がけて、明るくはっきりと話すようにしましょう。

(3) 電話機の基本操作方法を覚えておく
受ける・かける・保留する・転送するといった基本的な操作は予習しておきましょう。メモや筆記用具も、電話機のそばに用意しておきます。

実際に電話を受けるときの手順と頻出フレーズ

電話で受け答えする会社員

電話機の操作方法を教わっていると、ちょうど電話が鳴り出して慌てるAくん。B子先輩が素早く受話器を取り、スムーズに同じフロアの上司に取り次ぎます。

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Aくん「B子先輩、電話が苦手だったなんて思えないですね!」

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B子先輩「Aくんも慣れれば大丈夫。じゃあ、基本的な電話の受け方とよく使うフレーズを教えるね。電話に出るとき“もしもし”は、ビジネスマナーとしてはNGだから気をつけて!」

電話を受けるときの手順

(1) 電話が鳴ったらなるべく3コール以内に出て、会社名を名乗る。(会社のルールや必要に応じて部署名や個人名も)

(2) 相手の会社名や名前を復唱して、メモする

(3) 相手の用件を伺う

自分が答えられる内容であれば対応します。取り次ぐ場合は、名前を復唱確認して、電話を保留にしてつなぎます。自社の社員に対しては、役職や敬称をつけて呼ばないよう気をつけましょう。
また保留にせず、受話器を手でふさいだ状態で社内に声をかけるのはNGです。

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Aくん「自分が対応できる内容だったらいいんですけど、わからないことだったら、どう答えれば失礼になりませんか?」

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B子先輩「自分では回答しかねることをお伝えして、“申し訳ございませんが、確認して折り返しお電話をさせていただきます”と言って、いったん電話を切りましょう。その後社内で対応を相談ね」

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Aくん「わかりました。ほかの人へ取り次ぐ場合は、いろいろなパターンがありそうですよね。特に取り次ぎたい人が不在なときとか……」

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B子先輩「お客様であれば、基本はこちらから折り返すようにするけど、電話の相手が『後でかけ直す』のか『伝言したい』のかによっても、こちらの対応が変わるわね」

(4) 取り次ぎ相手が電話に出られない場合は、理由と折り返し連絡する旨を伝える
このとき、代理でおおまかな用件を伺っておくと、その後の連絡がスムーズに進みます。先方からまたかけると言われた場合や伝言を頼まれた場合も、取り次ぎ相手に以下の内容を確実に伝えましょう。

・電話があった日時
・相手の会社名/所属/氏名
・用件(または伝言)
・折り返しの要、不要
・電話を受けた自分の名前

(5) 相手が電話を切ってから、通話を終了する
電話は「かけた方が先に切る」のがマナーとされています。相手が電話を切ったことを確認してから、静かに切りましょう。

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Aくん「相手の言葉が聞き取れなかったら、聞き返しても失礼になりませんか?」

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B子先輩「聞き取れないと焦ってしまうかもしれないけど、そんなときは“おそれいりますが、もう一度お伺いできますでしょうか”や、“少しお電話が遠いようです”などのフレーズが使えるわよ」

実際の電話応対例

Aくんが電話の受け方のコツをメモしていると、また電話が鳴り出しました。B子先輩に見守られながら、今度はAくんが受話器を取ります。

<電話応対の例>
A:はい、○○会社でございます。
D川:お世話になります。営業部のC山課長さんお願いします。
A:お世話になっております。営業部のC山ですね。おそれいりますが、御社名とお名前を伺ってもよろしいでしょうか。
D川:○○商事のD川です。
A:○○商事のD川様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております。おつなぎしますので、少々お待ちください。

~電話を保留にし、C山さんが午後3時まで外出中であることを確認~

A:お待たせいたしました。申し訳ございませんが、C山はただいま外出しておりまして、戻りが午後4時頃の予定となっております。戻り次第、C山からお電話させていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
D川:そうですか、ではお願いします。
A:かしこまりました。さしつかえなければ、先にご用件を承ってC山に申し伝えましょうか。
D川:来週水曜3時の打ち合わせの件で、とお伝えください。
A:おそれいります。少しお電話が遠いようですので、もう一度お願いいたします。
D川:来週水曜3時の打ち合わせの件です。
A:失礼いたしました。来週26日水曜日午後3時からのお打ち合わせについて、ということでございますね。承りました。
D川:はい、よろしくお願いします。
A:ありがとうございます。ではC山に申し伝えます。お電話ありがとうございました。

~先方が電話を切ってから通話を終了する~

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Aくん「……C山課長に要折返しを社内チャットツールで伝えて……。できました!」

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B子先輩「うんうん、バッチリ!C山課長が戻ったら、口頭でも伝えると完璧ね」

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Aくん「緊張しました……。相手の方が急いでいる様子だったので、こちらもつい慌てそうになってしまって。何か失礼な言い方になっていませんでしたか?」

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B子先輩「ゆっくり落ち着いて話せていたわよ。聞き取れないときも、ちゃんともう一度丁寧に伺っていたし。C山課長の戻り予定時間を、余裕を持たせて“午後4時頃”と伝えたのも良いと思うわ。さっきAくんが使っていた“おそれいりますが”とか“さしつかえなければ”とかは、電話応対でよく使う“クッション言葉”ね。やんわりとした伝え方ができるから、覚えておくと便利よ。それから、Aくんはうまくできていたけど、相手の話を遮ってこちらが伝えたいことを話したりしないように気をつけましょう」

覚えておきたい便利なクッション言葉

【依頼する場合】
「おそれいりますが」
「お手数をおかけいたしますが」

【断る場合】
「あいにくですが」
「申し訳ございませんが」
「せっかくですが」

【尋ねる場合】
「さしつかえなければ」
「よろしければ」
「失礼ですが」

まとめ

電話を受けるときの応対を中心に解説してきましたが、かけるときも基本的な考え方は同じです。相手にとってわかりやすい言葉遣いやスピードで話すことを心がけていくうちに、スマートな電話応対ができるようになるでしょう。
慣れることで、苦手意識を乗り越えていけますので、ぜひ臆せず電話応対に向き合ってくださいね。