著者
マイケル・ファラデー (Michael Faraday)
イギリスの科学者。ロンドンの貧しい鍛冶屋の次男として生まれる。幼い頃から製本所の徒弟として働く一方で科学に興味を持ち、独学で実験等を行った。22歳で王立研究所の助手として研究を始め、後に同研究所の所長となる。ベンゼンの発見、電磁誘導の発見、電解物質における〈ファラデーの法則〉の発見など、幾多の輝かしい業績を残した。
【要点1】
私たちの身近にある1本のロウソクには、この宇宙を支配するすべての法則にかかわりがあると言っても過言ではないほど、たくさんの科学的な現象が起こっている。
【要点2】
当たり前だと思って見過ごしてしまうような現象にも、たくさんの不思議が隠れている。それを見つけ、考える視点を持つことが重要だ。
【要点3】
ロウソクのように周りを明るくし、人とかかわりを持ちながら、自分の義務をはたす人間になってほしい。それがロウソクを使った講演を行った著者からのメッセージだ。
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レビュー
今年のノーベル化学賞に選ばれた旭化成の名誉フェロー、吉野彰氏。彼が言及したことによって、ふたたび注目を集めた本がある。古典的名作、『ロウソクの科学』だ。
本書に収録されているのは、「ファラデーの法則」で知られるファラデーの、クリスマス講演の内容である。ファラデーは1本のロウソクを通して、科学の面白さ、自然の法則、そして人間同士や人と世界との交わりを伝えている。
読み進めていくうちに、ファラデーの講演の構成がいかに緻密か、気づくことだろう。誰もが見慣れた1本のロウソクから話を広げ、科学的な法則を少しずつ導入し、集まった少年少女たちの知識を少しずつ積み上げていく。普段当たり前のように受け入れている現象の不思議さを説き、その背景にある仕組みへ目を向けさせようとする。実験の内容は、現代の理科の実験でも採用されているものが多数含まれており、少年少女たちの心をつかむような工夫の凝らされた実験も盛りだくさんだ。幼少期に吉野氏が、本書を読んで科学のおもしろさを感じたというのも納得の内容である。
古典的名作ということもあり、現代の読者にはやや読みにくいところや、実験の内容がわかりづらく感じられるところもあるかもしれない。しかしファラデーのメッセージは、現代にも通ずるものだ。学生時代に戻ったつもりで、科学のおもしろさにいま一度浸ってみてはいかがだろうか。
マイケル・ファラデー (Michael Faraday)
イギリスの科学者。ロンドンの貧しい鍛冶屋の次男として生まれる。幼い頃から製本所の徒弟として働く一方で科学に興味を持ち、独学で実験等を行った。22歳で王立研究所の助手として研究を始め、後に同研究所の所長となる。ベンゼンの発見、電磁誘導の発見、電解物質における〈ファラデーの法則〉の発見など、幾多の輝かしい業績を残した。
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