英文メールの場合は電話応対より気持ちに余裕が持てるので、その分、簡潔な伝わりやすい文面で、相手に好印象を与えたいものです。

ビジネスメールの構成は、「あいさつ・日頃の感謝を伝える言葉(書き出し)・メールの目的と依頼内容(本文)・結びのひと言・署名」とするのが一般的ですが、なかでもメールを送る目的と、それを読んだ相手にどうしてほしいか(例:2~3日中に返事がほしいなど)をしっかりと伝えることが重要です。また、仕事のメールである以上、スラングや略語は避け丁寧な言葉づかいを心がけましょう。それでは、英文のビジネスメールにおけるポイントをご紹介します。

ビジネス英文メールのコツ

日本語のビジネスメールと同様に、英語のビジネスメールにおいても基本的な構成やそこに使われる定型文があります。基本的に「あいさつ・書き出し・本文・結びのひと言・署名」で構成される英文メールには、日本語のように時候の挨拶などは不要です。あいさつや結びのひと言には、よく使われるフレーズがありますので、いくつか押さえておけば、英文メールを作成するスピードもアップできます。

本文では、そのメールがフォーマルかカジュアルかで丁寧な言い回しの使い分けは若干異なりますが、過剰に丁寧な言い回しの多用は避け、メールを送った目的がシンプルに伝わるよう、本文冒頭から単刀直入に伝えることが大切です。

件名(タイトル)はわかりやすく

人によっては一日に何十件と受信するメールのリストで、相手が一番初めに目にするのが件名(タイトル)です。件名は一目見ただけでどんなメールであるか、内容がわかるようにしておきましょう。

[感謝の気持ちを伝えるタイトル例]ご来社ありがとうございました
Thank you for your visit

[何かをお願いするタイトル例]お見積りのお願い
Request for Estimate

[問い合わせをするタイトル例]価格についての問い合わせ
Inquiry about Price

社名変更のお知らせ
Change of Company Name

配送遅延のお詫び
Apology for Delayed Delivery

急ぎの返事や対応をお願いするメールの場合は、件名の冒頭に「Urgent(緊急)」と入れましょう。期限がある場合は、末尾に明記します。

緊急:注文取消し
Urgent: Cancellation of Order

緊急:見積もり確認のお願い(2月10日まで)
Urgent: Estimate check required before Feb.10

宛先・書き出し・結びのひと言

宛先の書き方

日本語の「●●様」にあたる宛先は、Dear ●●(親愛なる●●様)とします。男性の場合は●●の前に「Mr.」を、女性の場合は「Ms.」をつけます。名前はわかるけれど性別がわからない場合には、●●の前に「Mr./Ms.」を使いましょう。

もし、相手の名前も性別もわからない場合には、「Dear △△(所属部署),」または「To whom it may concern,」を使いましょう。「To whom it may concern,」には「関係者各位」の意味があります。

書き出しのバリエーション

初めてメールを出す相手への書き出しでは、まず名前・所属・会社名などを書き、用件へと続けます。

▲▲(会社名)営業部の●●と申します。
My name is ●● of the sales department at ▲▲.

相手のメールへの返信の場合は、メールの内容によって以下のようなパターンがあります。

ご返信ありがとうございます。
Thank you for your reply.

ご注文ありがとうございます。
Thank you for your order.

結びのひと言によく使われるフレーズ

結びの言葉として、フォーマルな表現では「Sincerely」がありますが、面識のない相手には「Sincerely」、面識がある相手には「Yours sincerely」または「Sincerely yours」を使います。Yours sincerelyはやや堅苦しく、Sincerely yoursの方がくだけた印象を与えます。

また、面識のある相手ならビジネスでも使える、ややカジュアルな結びの言葉として「Best regards」があります。

本文でよく使われる、用件を伝えるフレーズ

メールの書き出しで、そのメールの目的を伝えます。本文の末尾の書き方についてもご紹介します。

知らせたい事柄があるときには、「I am writing this email to inform you of ~.」や「Please be informed that 〜.」などを使います。

「当社の新規プロジェクトについてお知らせいたします。」
I am writing this email to inform you of our new project.

相手に確認したいことがあるときには、「I am writing to enquire about ~.」を使います。

「価格改定についてお伺いしたいことがあります。」
I am writing to enquire about your price revision.

相手にお詫びしなければならないことがあるときには、「I am sorry about ~.」を使います。

「遅れて申し訳ございません。」
I am sorry about the delay.

英語には、日本語メールの末尾によく使われる「よろしくお願いします。」に相当する表現がありません。メールの内容に合わせて、本文の最後を締めましょう。

「お早めにご返信いただけますと、ありがたく存じます。」
It would be appreciated if you could reply to us as soon as possible.

「ご不明な点があれば、お知らせいただけますでしょうか?」
Would you please let us know when you have a question?

「会議でお会いできるのを楽しみにしております。」
We look forward to seeing you at the meeting.

署名の書き方

記載する内容は、日本語メールの署名と変わりません。日本語の場合は「社名・氏名・住所・連絡先」などの順に書くのが一般的ですが、英語の場合は「氏名、役職、社名、住所、電話番号・メールアドレス」などの順で並べます。

日本語メールの署名の例

ABC株式会社
営業部マネージャー
山田太郎
〒123-4567 東京都中央区中央x-x-x
E-mail: taro-y@xxxxxxxxx.co.jp
Tel: 03-1111-xxxx Fax: 03-2222-xxxx
URL: http://www.abcxxxxx-yyzz.com

英文メールの署名の例

Taro Yamada
Manager, Sales Department
ABC Co., Ltd.
x-x-x Chuo, Chuo-ku, Tokyo 123-4567
E-mail: taro-y@xxxxxxxxx.co.jp
Tel: +81-3-1111-xxxx
Fax: +81-3-2222-xxxx
URL: http://www.abcxxxxx-yyzz.com

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